「痴呆」という病名は、病気の実態を反映していないことやその言葉に偏見・差別が含まれていることから、2006年「認知症」という名称に正式に変更されました。長年「痴呆」に関わってきた者として時代の進歩を感じています。しかし画期的な治療が確立していないために、認知症では「いかに治すか」よりも「いかに介護するか」がより重視されてきました。認知症は「治らない病気」とみなされ、治療よりも介護が優先されてきたのです。
しかし最近認知症を根本的に治療することができる、夢のような研究が進んできました。国立長寿医療センターでは、障害された神経細胞を修復するワクチンの開発が行われ、数年後の実用化が期待されています。もはや「認知症」は治る病気になりつつあります。そういう立場に立って、現状の認知症に対する治療と介護を考え直していかなければなりません。
今行っておくべきことは・・
☆認知症の方の場合は,進行を予防するための
専門的な治療や専門的なリハビリを行うこと
☆現在健康と考えられる方でも、軽度認知障害
(認知症が発症する前の、さらに前段階の状態、
MCIと言います)をチェックし、現状の脳の働きを
維持しておくこと
新しい治療法が開発されたとしても、進行してしまった認知症の治療は難しくなります・・